一般的なカーローン審査に不安のある方は、自社ローンで車の購入を検討する人も多いでしょう。自社ローンの審査は通りやすいといわれるからです。
しかし、自社ローンで購入した車にはGPSがついているという話を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
自社ローンを検索するとよく「MCCSローン」というワードが出てきます。
MCCSローンとはどういうローンなのか?
MCCSローンを利用する際のメリット・デメリットは?
それぞれ詳しい内容を紹介していくので、自社ローンの利用を検討している方は参考にしてみてください。
MCCSローンとは?
まず「MCCS」とは何なのか?
「MCCS」はGPS装置を内蔵した遠隔制御デバイスを指します。このGPSデバイスは、Global Mobility Service株式会社(以下GMS)という企業が開発した最先端のIoTデバイスです。「MCCS」では、GPSを使用した位置情報の取得や車両情報の感知、エンジンの遠隔操作が可能です。
自社ローンにある「MCCSローン」というのは、車にGMS社のGPSデバイスが付いているローンのことを指します。
なぜ車にGMS社のGPSデバイスをつける必要があるのか?
それは販売店の保身のためです。
自社ローンでは、利用している人のローン返済のリスクを回避するために車を担保にしています。たとえば未払いが発生したり、担保である車をローン完済前に無断で売却されたり、盗難されてしまった際に、クルマを回収するという手段が取れなかった場合、販売店は貸し倒れになるリスクをかかえています。
MCCSローンはGPS装置を内蔵した遠隔制御デバイス“MCCS”を利用することで、販売店側が車の現在地をいつでも確認することができます。万が一未払いが発生した場合に、 遠隔からクルマのエンジンをかからなくし支払いを促したり、最悪の場合はクルマを回収することをも可能にしたローンとなります。この遠隔操作の措置により、販売店側は返済リスクを保身しているのです。
「MCCSローン」を利用した場合、GPSが付いていることにより、常に監視されているのではないかと不安になる方もいるでしょう。悪い印象しか無いように感じますが、実際利用する側にもたくさんのメリットがあります。
メリットとデメリット両方をしっかり理解することで、MCCSローンを利用する際の不安が解消され、安心して車を購入できるでしょう。
具体的にはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。それぞれ詳しい内容を紹介していくので、MCCSローンの利用を検討している方は参考にしてみてください。
MCCSローンを利用する際のメリット
MCCSローンにおけるメリットは主に以下の3点です。
・審査が通りやすい
・保証人が不要
・従来の自社ローンより支払回数が多い
それぞれ解説していきます。
審査が通りやすい
ローンの通りやすさは、審査基準の厳しさで左右されます。
信用情報機関の情報を元に審査を行う銀行系マイカーローンやディーラーローンとは異なり、自社ローンの場合は、企業と申込者で直接分割払い購入の契約を結びます。自社ローンは審査基準を独自に決めており、過去の滞納状況ではなく現在の収入を元に審査を行います。
そのため、すでに住宅ローンや借り入れがある方や、ブラックリストに登録されていたり債務整理や自己破産を行った過去があったとしても、今後の支払い可能見込みを考慮し審査を行います。
MCCSローンを利用すれば、従来の自社ローンより審査の基準を更に低くすることが可能になります。
保証人が不要
自社ローンは販売店ごとに独自で審査基準を決めているため、 審査に通りやすいのが特徴です。
収入が不安定な方、過去の信用に傷が付いている方(ブラックリスト対象者など)でも利用することができます。ですが、店舗側も多少なりとも返済リスクがあり、そのリスクを加味して保証人が必要になってしまうケースがほとんどです。保証人は親や兄弟の親族を保証人と立てることが一般的です。
MCCSローンを利用すれば保証人が不要で車を購入できます。万が一支払いが困難になった場合に他人に迷惑がかからないこともメリットです。
従来の自社ローンより支払回数が多い
自社ローンを利用すると、月々の支払額は高くなりがちです。なぜなら、自社ローンの多くは24回払いや36回払いなど、支払回数が少なく設定されていることが多いからです。
通常のオートローンであれば、支払い回数は72回払いなど設定することができます。支払回数の少ない自社ローンでは、総額が同じであっても月々の支払額が高くなってしまいます。
MCCSローンを利用することにより、販売店のリスクが軽減される為、従来の自社ローンより支払回数が多く設定することができます。実例で支払い回数がオートローンと同じ72回払いの販売店もあります。支払い回数を伸ばせることで、月々の返済の負担を軽減できます。
MCCSローンを利用する際のデメリット
MCCSローンを利用する際のメリットを解説してきました。次にデメリットを解説していきます。
支払を延滞すると車が止められてしまう
利用者からローンを回収できないと、店舗経営の存続危機に陥ってしまいます。販売店側のリスク回避のため、MCCSという装置を車本体に設置することで、ローンを滞納している人のクルマのエンジンを、遠隔操作でかからなくすることができます。利用者もクルマに乗るためには滞納している分をどうしても支払わざるを得なくなります。
販売店側にしてみればとても便利なシステムではありますが、利用者側にしてみれば、いつエンジンが止められるか分からない状況というのは、とても不安に感じると思います。走行中にエンジンがストップすることがあれば、大惨事を引き起こしかねません。
しかし、 GPSの遠隔操作によるエンジン停止措置は、走行中にいきなり車を止められることはないのでご安心下さい。特許取得済みのフェールセーフ機能が実装されており、センサーからの情報により走行中はエンジンが止まることがないような仕組みになっています。安全性には十分配慮されおり、外出先でいきなりエンジンが停止することもありません。
遠隔操作によって車が停止される場合は、自宅や自分が契約している駐車場にクルマがあるときにのみ、エンジンがかからなくなるように設計されています。
まとめ
◎MCCSローンを利用する際のメリット
・審査が通りやすい
・保証人が不要
・従来の自社ローンより支払回数が多い
◎MCCSローンを利用する際のデメリット
・支払を延滞すると車が止められてしまう
本記事ではMCCSローンとはなにか?利用する際のメリット・デメリットを解説しました。
メリットとデメリット、どちらも把握しておき、うまく活用していくことが重要になります。
MCCSローンを利用することにより、審査が通りやすくなり、ローンの審査に通らない人にとっては救世主となる可能性があります。
しかし、ローンが未払いで支払いを延滞していると、車を止められてしまいます。直接的なアクションがあるのは支払いを延滞した時だけです。通常通り期日までに支払いを行っていれば、エンジン停止措置は実施されないので、返済計画をしっかりと立て、自分にあったローンを選らびましょう。