任意整理中に車をローンで購入する方法とは?ブラック状態でも車は購入できる

任意整理を行った場合、信用情報機関には事故情報として記録されてしまいます。

「任意整理すると車をローンで買うことはできないのかな?」

このような思っている方も多いのではないでしょうか。

実は、任意整理をしているからといって車をローンで購入することを諦める必要はありません。

本記事では、任意整理中に車をローンで購入するための方法に焦点を当て、銀行系カーローン、ディーラーローン、自社ローンといった、それぞれの特徴や利点を比較しながら、任意整理中に車を購入する方法を解説します。

さらに、自社ローンを利用する際に注意すべきポイントや購入前のコツも紹介します。

任意整理をすると信用情報機関に事故情報として記録される

任意整理は、借金問題を解決するための一つの手段ですが、その過程には信用情報への影響が伴います。任意整理を行うと、信用情報機関に事故情報として記録されることになります。この状態を通称ブラックと言います。

まず、信用情報機関とは、個人や法人の借入や返済履歴、債務整理の情報を集め、保管・管理している機関です。代表的な信用情報機関としては、クレジット情報機構(CIC)や日本信用情報機構(JICC)があります。これらの機関は、金融機関やクレジットカード会社などから提供された情報をもとに、信用情報を算出しています。

任意整理は、弁護士や司法書士を介して債務者と債権者が交渉し、債務の減額や返済計画の見直しなどを行う手続きです。債務整理の中でも比較的手続きが簡略化されており、個人再生や自己破産と比べると信用情報への影響が軽減される場合もあります。しかし、任意整理を行った場合でも、信用情報機関への事故情報の記録は避けられません。

事故情報としての記録は、任意整理の手続き開始から約5年間続きます。この期間中は、信用情報に事故情報が表示される可能性があります。信用情報に事故情報が記録されることで、「長期間安定した返済が望めない」と判断されてしまうため、新たな借入やクレジットカードの取得が難しくなります。

関連記事:ブラックでも大丈夫!信用情報を確認しローンで車を購入する方法

銀行系カーローン・ディーラーローン・自社ローンの比較

車に関しては、購入する際のローンの種類によっては審査の通りやすさが大きく違いがあります。

比較表を見ていきましょう。

銀行系ローンディーラーローン自社ローン
審査基準厳しい比較的緩い緩い
審査期間1〜3営業日30〜60分30〜60分
金利年1.2%〜4%程度年3%〜9%程度なし
返済期間長い短い短い
所有権購入者ディーラー自社ローン

銀行系ローンは審査が厳しく、信用情報を審査基準にしているため、任意整理された方はまず審査に通らず、利用できない可能性が高いでしょう。

審査基準の甘い順
銀行系ローン<ディーラーローン<自社ローン

となります。以上のことから考えると、自社ローンで検討するのが賢明です。

また、購入以外の選択肢としてリース、サブスク、カーシェアなどはクレジットカードの登録が必要になります。デビットカードでの利用が可能なサービスを探す必要があります。

任意整理中や任意整理完済後に車をローンで購入するなら自社ローン

自社ローンは、銀行系ローンやディーラーローンとは別に、中古車販売店が貸主になって分割払いを設定してくれるというものです。

自社ローンのいいところは、金融機関を通さない販売店独自のサービスなので、ブラックリストに登録されていても比較的審査に通りやすい点です。同じ理由から、手続きも短期間で済ませることができます。

ただし、手数料がかかったり、保証人が必要になるなどの条件もあるので注意が必要です。

また、ローンの支払いが終わるまでは車の名義は販売会社になっているので、会社が倒産した場合などは車を差し押さえられてしまうリスクもあります。

自社ローンには以下のような特徴があります。

審査の柔軟性

過去にローン審査に落ちてしまった方やすでに他社借入れを抱えている方でも、自社ローンなら通過する可能性は大いにあります。
各中古販売店が独自の審査基準を定めているため、過去の信用情報はあまり関係ありません。
具体的には、勤務先や勤続年数を書類により審査したり、面談を行って将来的に支払いが滞ることなく支払いができるかを見ていきます。
審査に関しては、販売店ごとに基準が異なりますので事前に確認しておくことをおすすめします。

金利や条件

自社ローンには金利が付かないため、諸費用を含む契約時の金額以上に費用を支払う必要はありません。
また、賃金業務取扱主任の資格を持った従業員が居らず金利をつけて販売することは違法になります。

迅速な手続き

自社ローンは、書類審査の時間と手間が少なく、審査申し込み当日に車を購入し、納車まで完了できるケースも存在します。
審査結果や契約手続きが比較的迅速に行われる為、車の購入をスムーズに進めることができます。

関連記事:最新自社ローン保証人不要なMCCSローンとは

任意整理中に自社ローンを利用する注意点

任意整理は借金問題を解決する手段の一つですが、その手続き中に自社ローンを利用することには注意が必要です。なぜなら、任意整理手続き後の支払いには、任意整理で返済していく元金と今後始まっていく自社ローンの返済も含まれるため、事前に月々の返済計画を念入りにシミュレーションすることが重要です。

任意整理手続きでは、債務者と債権者が交渉を行い、債務の減額や返済計画の見直しを行います。債務整理が進むと、返済条件が変更され、既存のローンの返済が再構築されます。このため、自社ローンを利用する場合は、任意整理の返済計画との整合性を考慮する必要があります。

返済計画をシミュレーションする際には、自身の収入や支出を正確に把握することが重要です。まず、月々の収入と固定費(家賃、光熱費など)を計算し、残りの余剰金を返済に充てることができるかを確認します。さらに、任意整理後の返済計画に含まれる自社ローンの返済分を追加し、月々の返済額を再計算します。この時、生活費や将来の予期せぬ出費にも十分な余裕を持たせることが重要です。

自社ローンを利用する際には、任意整理手続き後の返済計画を考慮した上で、借入の必要性や返済能力を慎重に判断しましょう。専門家の助言やアドバイスを受けながら、自身の経済状況や将来の計画を十分に考慮した上で、適切な判断を行うことが重要です。

任意整理経験車が自社ローンで車を購入する前に知っておきたいコツ

虚偽の申告をしない

自社ローンを申し込む際には、すべての情報、特に収入に関して正直に申告することが絶対的に重要になります。
車購入という大きな融資を受けるわけですから、ローン申込書に虚偽の申告をすることは、深刻な結果を招きかねません。
また、収入証明や保険証の提出を求められる為、収入や正社員であるといった嘘はバレます。
提供するすべての情報を正確に伝えるようにしましょう。

頭金を用意する

自社ローンは、ある程度のお金を頭金として入れておくとローンが通過しやすい場合があります。
頭金を用意することで貸主にあなたがローンを組む意思があることを示すことができ、期日通りに支払いを行う可能性が高いと判断されるためです。
購入する車の種類によって異なりますが、ディーラーローンでは車体価格の2~3割程度自社ローンでは10%程度以上は用意しておくべきです。

収入に見合った車種にする

自社ローンを絶対通す上で必要なこととして、購入を検討している車種が自分の収入に見合っているかどうかも重要です。
高級車を購入したくなるかもしれませんが、支払いに余裕があるかどうかを確認する必要があります。
予算外の車を購入するためにローンを組まなければならない場合、長い目で見て価値があるかどうかを自問自答する必要があります。

自動車ローンの申し込みはストレスの多い作業ですが、以上のポイントをしっかり押さえておけば、手続きをスムーズに進めることができます。
虚偽の申告をしない、頭金を用意する、保証人を立てる、自分の収入に見合った車種にする、などです。
これらのアドバイスを念頭に置いておけば、申し込む自社ローンがあなたにとって最適なものになるはずです。

まとめ

任意整理を行った場合、信用情報機関には事故情報として記録されてしまいます。しかし、それによって車をローンで購入することを諦める必要はありません。本記事では、任意整理中に車をローンで購入するための方法に焦点を当て、銀行系カーローン、ディーラーローン、自社ローンといった選択肢を比較しながら、任意整理中に車を購入する方法を解説しました。

任意整理手続き中の方が車をローンで購入する際には、自社ローンを利用することが一つの選択肢です。自社ローンは、中古車販売店が貸主となり、分割払いのサービスを提供するものです。銀行系ローンやディーラーローンと比べると、審査の柔軟性が高く、任意整理中でも審査に通りやすい特徴があります。ただし、手数料や保証人の要求など、注意点も存在しますので、契約前に詳細を確認することが重要です。

任意整理中に自社ローンを利用する際の注意点として、まず返済計画のシミュレーションが重要です。任意整理手続き後の返済計画には、既存のカーローンなどの返済も含まれるため、月々の返済負担が増える可能性があります。自身の収入や支出を正確に把握し、返済計画を十分に考慮して、返済能力に見合ったローンを選ぶことが大切です。

さらに、自社ローンの申し込みに際しては、以下のポイントに注意する必要があります。まず、虚偽の申告は絶対に避けるべきです。正確な情報を提供し、信頼性を高めましょう。また、頭金を用意することで、貸主に対する意思表示と返済能力を示すことができます。収入に見合った車種を選ぶことも重要です。返済に余裕があるかを考慮し、自身の経済状況に合った選択をすることが賢明です。

任意整理中に自社ローンを利用する際には、これらのポイントを押さえながら慎重に検討しましょう。専門家のアドバイスを受けることもおすすめです。自身の経済状況や将来の計画を考慮した上で、適切な判断を行い、借入と返済を進めていきましょう。

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